
赤詰草 と 生きる① 共生菌?
赤詰草 で 生きているものがいる 根粒菌だ 写真黄色い囲みの中の長卵形の粒が根粒 根粒菌はこの中にいる
共生菌といわれるが むしろ赤詰草に「飼われている」という方が適切かもしれない 根粒の中で「生きている」モノは野生の根粒菌とは違うモノだ とらえられて 牙を抜かれて 子孫を残すことはもはやなく ひたすら窒素を固定してアンモニアイオンを根に送り出す ひたすら食べて卵を産み続けるにわとりのようだ
土の中に窒素が足りないとまめ草は化学物質を出して根粒菌を呼ぶ 嗅ぎつけた根粒菌は別の物質を出す これにこたえてまめ草のひげ根(根毛)は先に枝分かれを生やしたり 膨らませたりする 根粒菌のおふとんの支度だ そして腕を差しのべ根粒菌を抱きとめる 抱いてくるんで 根毛細胞の奥まで連れて行き 籠に入れる 根毛の細胞膜が包み込んで細胞の中に呑みこむのだ エンドサイトーシスという 食作用ということもある アニメもイラストもなしにこれを説明するのは難しいなあ 想像してくれたまい 細胞膜の表面が細胞の中に向かってくぼむ くぼみの中には根粒菌 くぼんでくぼんで深く細胞の中に入り込んだところでくぼみの入り口の細胞がくっついて閉じる みずみずしい細胞膜の細胞は無節操にくっつくのだ それから表面の細胞膜と切り離される 切る方も無節操にできるぞ かくて細胞膜でできた籠が細胞の中に浮かぶ 根粒菌を閉じ込めた籠の内側は「外」だ 根粒菌は赤詰草の「内」には触れない
根粒菌を呑んだ根毛はもはや根毛ではいられない 水を吸う仕事をしていたころはしょっちゅう分裂して細長くみずみずしく生長していたのに もう分裂はしない 一つひとつの細胞が太って粒の形を作る 表面は厚く硬くなり 中には水や栄養を運ぶパイプラインが整備される 根粒への変身だ 根粒の形は植物種によって違う 赤詰草の場合は長卵形 まだ若い落花生みたいだ
籠の中の根粒菌も根粒菌のままではいられない 活発な増殖ののちバクテロイドと呼ばれる大きな体に変化する 特筆すべきは バクテロイドとなった根粒菌はもはや分裂増殖しないことだ 増殖しないということは 子孫を残さないということだ 命をつながない個体となったということだ 赤詰草が供給する空気中の窒素をとらえアンモニアを作りイオンとして吐き出す アンモニアイオンは赤詰草の根の中でグルタミン酸と結合しアミノ酸であるグルタミンとなる 赤詰草はグルタミンをたんぱく質の材料にする まめ草に豊富といわれるたんぱく質だ まめ草を食い乳牛は良い乳を出し馬は強靭な筋肉を育てる そして人間がそれを利用する
赤詰草の根が死んだとき根粒がどうなるかは知らない 根粒の中のバクテロイドも死ぬのか それともバクテリアとして再生できるのか それもわからなかった 誰か教えてください
コメント
おこめです。素晴らしい解説ありがとうございます。
まだ耕しを始める前の春の水田にクローバーを撒いてほしいと思っていました。
菌です。クローバーさんの根が亡くなられた後の我々の最期、調べてみましょう。来春にも。
おこめさんの田んぼに蒔くのはレンゲの方がいいかな 背が伸びないからすき込みが楽でしょ 種まきは稲刈りの後だから 秋風が立ったらタネ買ってもらおうね
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