人里に咲く彼岸花

春のお彼岸は「春分の日」、秋のお彼岸は「秋分の日」を中日として前後3日間、合わせて7日間ずつが「お彼岸」の期間である事は皆さんよくご存知かと思います。では、そもそもお彼岸とは、そして、何故お彼岸には御墓参りをするのかご存知ですか？
簡潔に説明させて頂くと、こうなります。

・お彼岸はサンスクリット語の「パーラミター」が語源と言われている。
・仏教用語の「パーラミター」とは「完成する、成就する」という意味で、欲や煩悩、苦しみに満ちた輪廻の世界から解脱し、迷いのない悟りの境地に達することを表す。
・この悟りの境地「パーラミター」を、川を挟んだ向こう岸、すなわち「彼岸」に例えたのが私達日本人の伝統行事である「お彼岸」。
・反対に、私達の生きる煩悩の世界はこちら側の岸「此岸（しがん）」と呼ばれている。
・日本古来の自然観や先祖崇拝の影響から、亡くなった家族やご先祖は迷いのない「彼岸」へと渡り、時々私達の生きる此岸に姿を現すと考えられるようになった。
・春分の日と秋分の日には、太陽が真東から上り真西へと沈みますが、それによって彼岸と此岸とが通じやすくなり、これらの時期に先祖供養をすることでご先祖の冥福をお祈りする。

つまり、彼岸と此岸（あの世とこの世、すなわちご先祖と私たち）とが交流する行事であり、そのための場所が「お墓」という事で、お彼岸に御墓参りをするのですね。

彼岸花の名前の由来は、秋のお彼岸の時期に咲く事、また、食べてしまった後は彼岸（死）しかない、という事から言われているようです。

彼岸花は、寂しさの中にエネルギーを感じるので、個人的にとても大好きです。