
赤詰草 と 生きる⑤ 食べる・トラマルハナバチ 20190703
*写真は20190703撮影
ぶうんという大きいが柔らかい羽音に目を上げたら やってきました夏のともだち トラマルハナバチくん (虎丸花蜂)日本には15種のマルハナバチ類が生息しているけど 本州の平地で暮らすのは7種 その中でも一番よく見かけるのがトラマルハナバチ むくむくのオレンジの毛 舌が長くて 朝顔みたいな長いラッパからも上手に蜜を吸う ピントが悪いけど写真にも長い舌が写っているよ
マルハナバチはミツバチと違って 1年で巣の一生を終える
新女王は前年秋に交尾を済ませて越冬している 関東では4月中旬頃から女王の目覚めが始まる 虎丸は5月に入ってからかな 目覚めた女王=お母さん は 巣作りをする たったひとりで 地面の中 ネズミやモグラの穴を利用したり 屋根裏の鳥の巣を利用することもあるそうだ 内装の材料は枯れ草と蜜と花粉 枯れ草などでふわふわにした中に蜜で練った花粉のお団子を据える お団子に8-10個の卵を産んだら蜜ろうで覆う そして周りには蜜壺を作る 雨の日のための蓄え ゆりかごの出来上がりだ 一仕事すんだらお団子の上に乗って卵を温めてやる 用がないときはたいてい乗っている 卵が孵ったらエサ取りに行かねばならぬ 花粉を集め蜜を吸い 子供には蜜で練った花粉を口移しで与える 10日くらいで子供は蛹になる 休む間もなく子供部屋の上に次のゆりかごを作り卵を産む 2孵り目の子供たちが繭になるころ 最初の子供たちが成虫になる
お母さんひとりぼっちの奮闘だ 最初の子供たちは栄養失調 小さくてやせっぽちだ けれどお姉ちゃんたちは元気良く餌集めに飛び出す お母さんはもう頑張らなくていい 外仕事はお姉ちゃんに任せて 小さい妹たちに専念できる お母さんは手作り派 ゆりかごづくりをお姉ちゃんに頼まない 赤ちゃんの食事もお母さんが与える
家族が増えて巣がにぎやかになったころ 突然お姉ちゃんの一部が卵を生み出す そして姉妹の産んだ卵や お母さんの産んだ卵を食べたりする 巣は騒然だ 騒動の中 お姉ちゃんの産んだ卵から雄蜂が育つ お母さんの産んだ卵からは来年の女王蜂が育つ
羽化した雄と新女王は餌の蓄えを食べて力をつけたら旅立つ 新女王は外で子種をいただいて 土の中で来年までの眠りに入る 雄は務めを果たして死ぬ お母さんは産卵を終えて衰えていく 卵を産まなかったお姉ちゃん=働き蜂も 役目を終えて死んでゆく にぎやかだった巣は10月には寂しい廃墟になっている それでいい 来年のお母さんはもう 安全なところで春を待っている
コメント
蜂の世界の壮絶なドラマを、頭の中で映像化して楽しめました。結末が少し寂しいですが、また次の命に繋がっていくのですね。お話ありがとうございました!
いつも丁寧に読み込んで下さってありがとうございます。嬉しいです。次を書く勇気が湧いてきます。そっ、おだてりゃ空飛ぶあたしは豚さん!
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