蓼食う虫も好き好き・紅蜆
いばらき 花草虫 ~ 一覧 ~

蓼食う虫も好き好き・紅蜆

冬草の麦類が実って枯れると 姫女菀(ヒメジョオン、女菀は中国から来た植物の意だそうだ)が咲きだす 蝶々がしきりに訪れる 今日は月並みだが可愛い紅蜆(べにしじみ) 蜆蝶(しじみちょう)という名の由来は翅(ハネ!)の形を蜆貝に見立てたものらしい 小さな蝶の仲間だから小さな蜆貝なんだなあと思っていたけど違っていた

蝶や蛾の成虫の大きさは「開長」前翅を開いたときの幅でみる 図鑑では32mmと書いてある 500円玉より大きい 世界最小といわれる台湾姫蜆(たいわんひめしじみ)は1円玉より小さいそうだ

マメ科植物を食べる蜆蝶はいるけどこの種は赤クローバーに来たのではない 幼虫はギシギシ(オノマトペ由来であるらしく漢字がない、くそぅ)や蓚(スイバ)などのタデ科の草を食べる 蓼食う虫なのだ だがこの刈り場ではギシギシは負けていて ふんわり茂った赤クローバーの株元でもやしになっている そして馬はギシギシを食べない

投稿者

ゆ

茨城県

コメント

  1. komin komin

    蓼食う虫も好き好き といいますが、蓼は不味いのですか?

  2. ゆ

    おさしみの薬味に、赤紫のふた葉みたいなの、って、ふた葉なんですが、あれが蓼のスプラウトです。ひりっとします。まずい、というより刺激が強いってことなんでしょうね。葉も茎もひりひりです。
    蓼食う虫ならぬ霊長類は、鮎の解禁を待ちかねて、蓼の新芽を塩と少しのご飯と擦り混ぜて酢を加え、蓼酢を作ります。鮎の塩焼き蓼酢で食う、これぞオトナの味、なんちって。

    • komin komin

      おさしみの薬味に、紫のふたばありますね。あれは蓼のスプラウトなんですか?
      わりと好きです。

  3. ゆ

    虫の食べ物について。割と何でも食べる 広食性、ネギ科なら、とか アブラナ科が好き、というふうに植物グループご指名の 狭食性 カンアオイがいいのそれ以外じゃダメなの のように植物種指名の単食性 というわけ方があります。紅蜆はギシギシ、蓚(すいば)などタデ科植物ってことで、狭食性。かいこは桑しか食わない単食性、元祖・夜盗虫(よとうむし)はナス科もアブラナ科もいけるぞ広食性、てな具合に。
    なんでも食えればどこでも生きていけそうだけど、他の生き物と競争になります。
    一種に集中、それも、毒や渋みや苦みのせいで他の虫があまり食べない種を選ぶと、独り占めできちゃう、でもそれには、毒や辛味や渋みに負けない体が必要。具体的には解毒分解酵素を生産しなくちゃならない。そんなもん作ってたら食って太るエネルギーが減っちゃうし、そいつが生えるところでしか暮らせない。でも競争しなくて済む。さてどっちが得なんでしょうかね。

  4. ゆ

    そもそも植物の毒とか渋みとかって、あまり食べられたくないから生産してる化学物質の性質です。けど、虫の方はそれを乗り越えて、食べることができれば、他の種と競争しないで済む。食って太るためのエネルギーを少し解毒分解酵素に回してでも蓼を独り占めする方がいい、と紅蜆は選んだのですな。

    食われたくない植物が毒を作って防衛する→虫が毒の分解に成功し植物を食う→植物はさらに手の込んだ毒を発達させる→虫はさらに高性能の分解酵素を育てる、繰り返し。これは植物と虫の「共進化」の一例と言えます。他の種の存在、干渉が、ある種に遺伝的な変異をもたらし、ある種の変異の結果、他の種にも変わる必要ができたので変わってゆく、みたいなサイクルね、共進化。




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