ネルさんの冬毛玉

生来のしみったれで、たくさん捨てられるものを見ると何かにしたくなります。ジャムよりママレード、ママレードは果肉を入れないといけないからママレードより皮の砂糖煮。
馬の冬毛などという、ざくざく抜けて捨てるしかないものには実にそそられます。ところがね、泥の中で転げ回るのが大好きなお馬さんの抜け毛なんてものです、下処理が実に厄介千万。土の粒や植物のかけらを除くのがめんどくさい。ネルさんは白馬ですが集めた毛は白くない。汚れかなとシャンプーで洗ってみても白くならない。どころか洗面器に放ってしまった毛を回収するのは思いの外難しく、半分以上流れてしまう。そんなふうにして一応「きれいに」なった毛を、まずはフェルトを縫って詰め込んで針刺しを作りましたが、針刺しなんかそんなにたくさんいらない。世間には羊毛フェルト工芸というのがあって、専用の針でちくちく刺して、実に精緻で可愛い子猫さんなどを制作、高価で販売しているようです。しかし、羊毛は長くウェーブがかかっているがお馬の毛は短くつんつん、同じようにできるとも思えんと思いつつも針を手に入れました。目標は「お馬の毛でお馬を作る」だったんですが、えらい時間をかけて玉にするのが限界でした。それもさらしで茶巾絞りして、さらしの上からちくちくするというようなやりかたでした。ところがね、たまにするだけだったら、もっとずっと簡単な方法を思い付いちゃったんですよ。

ブラシから外した冬毛、軽く一掴みで2gくらい。

これをヨーグルトパックに入れ、振ります。振れば振るほどゴミが落ちます。時々毛を出してゴミを開けて、気の済むまで、まあ15分くらいだったかな、振ります。

1Lのペットボトル2本を肩のところで切ってロートのようなものを2個作ります。片方は長めに切って、はめ込めるようにします。ボトルは炭酸用の丸くてデコボコのないものがよろしい。で、そこに毛を入れて、また振る。

振ってるうちにこれがねえ、ちゃんと玉になってくるんですよ。ただ、大きいので長く振っていても固くならない。そこである程度玉になったら、500mLのペットボトルで同じものを作ってさらに振ると固くしまってきます。ただ、ペットボトルだと口の部分があるため、小さくなってくると歪が目立つようになりました。

今、500mLペットボトルより都合の良い道具がないのでここまでです。モンスターボールとか、ガシャポンのカプセルとか、ちゃんとした球形の容器で振ればもっときれいにできるかな。