かぶのお料理・じぶに(？)

お野菜たっぷり汁気たっぷりで、かぶが主役の煮物、というかもはや汁物かもしれません。中学生のとき、友達が親の転勤で石川県の金沢に引っ越してしまいました。夏休みに他の仲良しと2人で会いに行つた時に、金沢の郷土料理として振舞われたのがこれ。とても気に入って、お母さんにレシピを書いてもらい、母に作ってもらってより、我が家の定番となりました。独立、結婚してからもずっと、寒くなるとこれ、作ってました。

肉は鶏、できれば手羽元やモモぶつ切りなどの骨つき、野菜はにんじんごぼうれんこんたけのこ干し椎茸一口大に切り、かぶは丸ごと、皮むいたら十文字に包丁入れて、葉っぱが無事なら茹でておいてください。なければ小松菜一人一株、茹でておきましょう。
椎茸の戻し汁と鰹だしでかぶ以外の野菜を煮ます。水はたっぷり、あとで鶏とかぶ入れてもかぶるくらい入れ、煮立ったら砂糖大さじ一杯くらい入れ、中火で野菜が柔らかくなるまで煮ます。あたしは、れんこんの煮えすぎてないのが好きなので、鶏肉入れる時に入れてますけど。野菜が煮えたらしょうゆとみりんで味付け、2対3位かな、少し甘めで飲んでおいしい濃さにします。汁が減ってたら味付けの前に水を足してね。強火にして汁を煮立たせ、鶏肉に小麦粉を打って、煮立った汁に投入、また沸騰したら中火。あらかた火が通ったなというあたりでかぶ投入、かぶが柔らかくなったら、汁を味見して整え、出来上がり。大き目のお椀かどんぶりに汁ごと盛って、かぶの葉のゆでたのをてっぺんに飾ってください。特に骨つきで作ると、おつゆがとろっとしておいしい。椎茸鰹鶏肉の三重だしですからな。まあ、和風シチューってなおもむきです。

と、書いてみたんですけどね、お店で じぶに=治部煮 と言うと、鴨肉の煮物で、汁ごとぞぶぞぶいただくなんてもんではなくて、そもそもかぶが入ったりなんかしないんですよ！たしかに、友達のお母さんに書いていただいたレシピでうちの母が作った、それから半世紀くらい経ってますけどね、うーむ、似ても似つかないぞ？！とにかくウチでは、「じぶに」をかぶの料理として半世紀伝えてきましたですよ、はい。