まめ草の季節
いばらき 花草虫 ~ 一覧 ~

まめ草の季節

馬屋さんはまめ科の青草(生の草)を「まめ草」と呼びます ちゃんと種まいて栽培した赤クローバーやアルファルファ(紫馬肥し/苜蓿)はもちろん そこらに生えてくる野草のまめ科たちも お馬さんにはごちそうです 春一番に伸びてくるのがからすのえんどう(鴉の豌豆、赤紫矢印)と すずめのえんどう(雀の豌豆、青矢印)あとの方は見ての通り茎が細く葉っぱも小さく 花もとても小さく ちゃんとした写真が取れないくらい小さく これだけが茂っていてもあまりそそられないのですが 多くの場合からすと混じって育っているので 自然と刈っています うぐいすが鳴き始めるころには からすのえんどう(時に、+すずめのえんどう)の こんもりとしたみどりの新芽が見られます

この段階でも十分刈れるしおいしく食べられますが お彼岸過ぎてひばりが上がるようになると 成長が加速し花が咲き始めます それからのほうが必要量を短時間に刈ることができます 花は小さいけれど 薄紫と赤紫のふた色で 食べるさやえんどうの赤花種をそのまま小さくしたような愛らしい花です 

花はこのあと1か月以上咲き続けます 咲いたあと小さな さやえんどうより豆の数の多い緑のさやができます すずめのえんどうはまめ2つか3つでかわいらしい 今年初めて写真撮りました 生えている状態で撮影を試みたんですが 手持ち携帯カメラフィルタなしではこの可愛らしさがわかる写真にならなくて

連休明け位になるとからすのえんどうは最初のころのさやが黒く硬くなります 食べる分には問題ありません それと 花が咲くころからアブラムシが入り 5月にはべたべたと扱いにくくなるものが増えます でも お馬さんは構わず食べてしまいます 君たちは肉食だったのか⁈ 幸いその頃には赤クローバーが咲き始めるので 嫌ならそちらに移動します 花茎のあがった赤クローバーは からすのえんどうよりさらに短時間にごっそり刈れますから お馬さんへの愛の花束です

今年はこれまでにまとめて刈ったことのないまめ草がまとまって育っているのに出会いました こめつぶつめくさ(米粒詰草、黄色矢印)です 小さいけどクローバーの仲間 これにとてもよく似たこめつぶうまごやし(米粒馬肥し/苜蓿)というアルファルファの仲間がいますが ここのは詰草でした

白クローバーによく似た形の黄色いぽんぽんがたくさん咲いていました 小さな花がまとまってぽんぽんや円錐やらその他の形をなしているものを花序(かじょ)といいます クローバーや米粒さんは球形花序 米粒の直径は4mm 大変可愛らしい 草丈はこの種ばかりまとまっているところでは20㎝程度 茎は細く葉も小さいので 広く生えていても これだけ刈る気にはなれません

植物の名前には雀、からすなどの鳥、ねずみ、犬などの動物の名前がついたものをよく見かけます 一種の接頭語として使われていて 雀、ねすみは「(栽培して利用するものに比べて?)小さなもの」 からすは、大きさのこともあるのかもしれませんが「(栽培するものの仲間だが)利用されないもの」 犬は「(栽培するものによく似ているが)利用できないもの」といった意味を持たせているようです その他にも「雉隠し」とか「馬の鈴草」とか より具体的で特定の「絵」を示している命名もありますが 接頭語として多種に共通して使われるのは上記の4種くらいでしょうか 他にもあるかしら 暇に任せて牧野の図鑑端から見てみようかな 

投稿者

ゆ

茨城県

コメント

  1. 株式会社Root 株式会社Root

    そういえば、接頭語で「ねこ」ないですよね。「ねこじゃらし」は機能ですしね(^^;)

    • ゆ

      きつね、てのがあったわ、毒っぽいものについてる。

  2. 株式会社Root 株式会社Root

    というか、からすのえんどうのコンモリ具合がすごいですね。
    ここまで茂ってるのはなかなか見たことないかも。

    • ゆ

      草刈りすと(馬その他の家畜のために草を探し求め、刈るやから)と言う人種は目線が馬になっていて、見ると「おいしそう…」などとつぶやく。こんなの見たらうずうず、にこにこよ。ここは田んぼ近くの用水の法面ですがあまり管理が入らないので毎年よく茂ります。他の草に先駆けて伸びるのでよく目立ち、美しいです。




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