鳴子百合、もとい、甘野老
いばらき 花草虫 ~ 一覧 ~

鳴子百合、もとい、甘野老

鳴子百合(なるこゆり) とうちでは呼んでいるが うちのは本当は栽培品種の甘野老(あまどころ) 野草あまどころはなるこゆりの近縁種 よく似てる けどやっぱうそなんだけど 野草なるこゆりが思い出植物だもんで つい

鳴子 というものがある 土佐のよっちょれよのアレではなくて農具 実りつつある田んぼにぶら下げて 音を立ててすずめなどを追い払う 横長の板に細い木の棒や竹筒を垂直方向に並べて上を紐で留め 板が揺れると棒などが板に当たってカラカラ鳴る 西暦3桁の昔から使われていた もとはその板に長い紐をつけ 人が離れたところから引っ張って鳴らしたらしい のちに人力を使わず風に揺れる仕様のものも使われた 忍者のトラップに使われているのは小ぶりで軽そうなものだね 花が花茎に間隔を置いてぶら下がって咲くから 咲いて揺れるから なるこゆり(あまどころ、だってば)

野老と書いて ところ と読める人は多くなかったんだけど 最近増えたかも TOKYO2020の市松模様考えた人 野老朝雄さん ところはやまのいもの仲間 髭だらけのショウガみたいな根が年老いた野人みたいだって 大方のウェブサイトには食えんと書いてあるが 青森南部では根を灰汁で4-5時間茹でて食べるそうな 苦くてすごい味なんだがやみつきになるとも ただしあまどころはやまのいもの仲間ではない ゆりの仲間 根っこの感じが似ているというだけ そしてところは苦いものだが あまどころは甘い 根も葉も茎も甘いそうだ 花が終わったら食べてみよう ところと言えばもう一種 走野老(はしりどころ)というのがあるんだが これまた根っこの感じが似ているだけでなすの仲間 そして立派な毒草 食べると走り回っちゃったりする ベラドンナの仲間だね

稲の害虫に稲水象虫(いねみずぞうむし)というのがいる ゾウムシはコガネムシの仲間 イネミズは3mmくらいの地味なやつ 姿は地味だがやったことは派手 1976年にカリフォルニアから輸入された牧草に混じって愛知県に上陸 その後あちこちの高速道路のインターチェンジ近くで確認されつつ勢力を拡大 1986年に北海道で確認されて全国制覇を達成した まさに燎原の火の勢い そもそも侵入した個体群はアマゾネス 雌だけで増えられる単為生殖 上手くはないが飛べる 速くはないが歩ける そして泳げる 潜水もいける 陸海空三軍を擁する女将軍だ 子供たちは安全な水中―土中生活 卵は稲の茎に隠して産まれ 幼虫は稲の根にシュノーケルを刺して呼吸しながら根っこを食い放題 腹いっぱい食ったら根の間に土の繭を作って蛹になり 成虫になって初めて水上に出る

夏に羽化した成虫は稲を少し食べたら雑木林に移動し 翌春まで落ち葉の下の土の中で眠る 春になると下草の笹などに上がってきて少し食べ 力をつけてから産卵のため水田に移動する 実験用に越冬成虫を取りたい場合雑木林の土をさらってふるいにかけてもいいんだけど 下草の笹に上がってきて食べ始めてから網振って取る方が効率がいい 幅1mmで葉脈に平行な白い食害痕は薄暗い雑木林の中でもよく目立つ その 成虫が笹に上がってくる時期が なるこゆりが咲き始めるころなんだなあ 

なるこゆり咲いてたよ じゃ イネミズ取り行こうか 網と袋用意して  

投稿者

ゆ

茨城県

コメント

  1. 株式会社Root 株式会社Root

    これはきれい。

  2. ゆ

    きれいでしょ❤️




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