竹箒にとっくり・帝徳利蜂(みかどとっくりばち)
あら あら
竹箒に小さなとっくりが
はじめまして みつばちです
ムシ世界のご案内役として
かめむしさんともども
宜しくお見知り置きくださいませ
帝徳利蜂(みかどとっくりばち)さん
そこはまずいわ
あちこち持っていかれて
振り回されて
大事な徳利が壊れてしまうわ
とっくりのなかにはいとしい卵
美味しいお弁当もたっぷり
準備万端 母さん蜂は
念入りに蓋をし終わって
名残を惜しむ暇もなく
次のとっくりを据えに行く
とっくりの材料は土
つばめのように唾液でこねて
まあるいとっくりに仕上げます
お弁当はいもむし 蛾の幼虫は
腐らぬように お腹の針で
仮死状態にしてあります
だから だから みかどさん
竹箒になんか 作らないで
いとしいいとしいあなたの卵
元気に育ち上がるよう
静かな場所を選んであげて
＊みかどとっくりばち成虫は1〜1.5cmの小さな蜂です。黒い体のところどころに黄色の紋があります。完成品のとっくりの直径よりちょっと大きいかな、という大きさです。6〜9月に見られます。りっぱな針がありますが、ヒトが刺されたという話は聞きません。本来は笹など固いしっかりした植物の茎に徳利を作り、卵をひとつ生み、餌のいもむしを詰めて立ち去ります。卵はひとつ、だったらお母さんは一体いくつのとっくりを作るんでしょうねえ。
コメント
ルナは刺される？
ルナちゃん、笹薮にもぐって笹食べる？
笹、どうだったっけ？刺されるのヤダー。
大丈夫よ、喧嘩っ早い方ではないと思うから、たぶん刺されることはないと思うわ。わたし達みつばちだって、攻撃されなければ刺さないもの。
ルナちゃん、みなさん、蜂の仲間をむやみと怖がらないでください。確かにわたし達みつばちは刺します。けれどそれは自分の身を守り、いもうと達を守るためです。家族のためならヒトだろうが雀蜂だろうが容赦いたしません。すずめばちさん、あしながばちさんも同じ思いでおられるでしょう。とはいえむやみと喧嘩を売る気はないということをどうぞご理解ください。
それに、蜂の多くば群れを作らない種類です。守るべき「家族」「巣」をお持ちでない方々です。大切なのはこれから産む卵だけです。蜂の針は卵を産むための「産卵管」が変化したものですが、群れない方々のなかにはそもそも針をお持ちでない方もおられます。針をお持ちの方でも、その針は餌のムシを捕まえたり、捕まえたムシを保存したりするためにお使いです。だから、針を使って身を守るより、まず逃げることを優先されるでしょう。手で握りでもしなければ、刺されることはまずありません。
とっくりばちさんは毒針をお持ちです。それはイモムシを狩るために使うものです。ルナちゃんがぱっくりと噛みつきでもしないかぎり、かわいいお鼻を刺すようなことは、きっと、なさいませんよ。
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